Conflux(CFX)とは
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Conflux(CFX)とは

Conflux(CFX)とは

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更新済 Feb 20, 2025
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要点

  • Conflux(CFX)では、ツリーグラフ構造(ツリー構造とグラフ構造のハイブリッドモデル)とハイブリッド型コンセンサスの採用によりブロックチェーンのスケーラビリティを強化しており、これにより高スループットとトランザクションの並列処理が実現します。

  • CFXにトークンは、ガバナンス、ステーキング、トランザクション手数料、エコシステムへの参加の推進に用いられます。

  • イーサリアム仮想マシン(EVM)との互換性とクロスチェーンの相互運用性を備えるConfluxは、イーサリアムベースのdAppとシームレスに統合できるため、開発者にとって汎用性の高いプラットフォームとなっています。

はじめに

ブロックチェーン技術は普及拡大の一途を辿っているものの、いくつかの大きな課題に直面しています。このうちの最大の課題は、スケーラビリティ関連の課題となっています。分散型ネットワークの成長に伴い、トランザクション速度は遅くなる一方で手数料が上昇する傾向があるため、ブロックチェーンの普及拡大が鈍化する可能性があります。

Conflux(CFX)は、こうしたスケーラビリティ関連の課題に対処するために特別に開発されたブロックチェーンプラットフォームです。同ブロックチェーンでは画期的なツリーグラフ構造を採用しており、これをもとにDeFiサービスやdAppなどのWeb3開発における安全、スケーラブル、高速な環境を提供することを目指しています。

Confluxネットワークの要となるCFXは、ネットワークガバナンス、ステーキング、トランザクション手数料に関する大切な役割を担っています。

Conflux(CFX)とは

Confluxは、公開型かつパーミッションレスなレイヤー1ブロックチェーンプラットフォームです。パーミッションレスとは、ネットワークの参加者を制御する中央集権型機関が存在しないことを指します。2018年に中国で立ち上げられたConfluxでは、安全性と分散性を向上させながらスケーラビリティに関する制限を撤廃することを目指しています。

Confluxは、dAppDeFi、その他のWeb3サービスの構築を検討中の開発者向けに、比較的低コストで高スループットの開発環境を提供するために開発されています。

同ブロックチェーンでは、ハイブリッド型コンセンサスメカニズムとツリーグラフと呼ばれる基盤となるデータ構造を採用しています。この構造により、Confluxではネットワーク混雑を緩和する一方でトランザクションを並列処理できます。並列処理により、従来の直線型ブロックチェーンと比較した際のトランザクション速度が上昇し、ネットワーク効率の向上につながります。

Confluxの仕組み

ハイブリッド型コンセンサス

Confluxでは、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)の要素と有向非巡回グラフ(DAG)の構造を併用し、ハイブリッド型コンセンサスメカニズムを形成しています。

ビットコインなどの従来型のプルーフ・オブ・ワーク(PoW)システムでは、複雑な問題を解きネットワークを保護するために、大量のエネルギーを必要とします。一方、Confluxのハイブリッド型アプローチでは、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)のセキュリティを活用する傍ら、DAG構造を通して効率性を向上させることができます。

独立型のコンセンサスメカニズムとして動作しないものの、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)によりユーザーはトークンのステーキングによりPoSに参加し、同ネットワークのセキュリティ向上に関する一翼を担う傍ら、収益を獲得できます。また、ステーキング行為はツリーグラフに記録されるため、こうしたステーキング参加者の行為はコンセンサスに関与するものであると言えます。

ツリーグラフ構造

有向非巡回グラフ(DAG)の一種であるツリーグラフ構造は、Conflux技術の根幹をなす存在です。トランザクションを順番かつ直線的に処理する従来型のブロックチェーンとは異なり、Confluxではそのツリーグラフ構造により、複数のブロックとトランザクションの並列処理を実行できます。

1本の直線ではなく、複数の枝を持つ木があると仮定します。それぞれの枝は、一連のトランザクションを表しています。Confluxでは、複数の枝にわたるトランザクションを処理できます。

従来型の直線型処理では、ネットワークの成長に伴いボトルネックが発生する可能性があるものの、ツリーグラフ構造が実現する並列処理により、ネットワークのスループットが高まるほか、トランザクション速度も上昇します。

GHAST

GHAST(Greediest Heaviest Adaptive Sub-Tree)アルゴリズムは、Confluxのコンセンサスメカニズムを支える重要な構成要素となっています。同アルゴリズムでは、最も重いサブツリーの特定により、ツリーグラフ構造と連携した動作が行われます。つまり、同アルゴリズムでは、作業と確認が最も蓄積された枝が選択されます。

Confluxでは基本的に、GHASTアルゴリズムにより選択プロセスが作成されます。これにより同ネットワークのトランザクションの順序に関する合意形成が行われ、二重支払いが回避されます。以上から、同ネットワークではセキュリティとコンセンサスを維持する一方、トランザクションの並行処理が実現します。

EVMとの互換性とスマートコントラクト

Confluxは、イーサリアム仮想マシン(EVM)との完全な互換性を持つため、開発者はConfluxの高いスループットと低い手数料を活用し、既存のイーサリアムdAppからのConfluxへの移行、または新しいdAppを作成できます。

また、Confluxでは、チューリング完全スマートコントラクトにも対応しています。同スマートコントラクトでは複雑なロジックを実行できるため、同プラットフォーム上におけるより幅広いdAppの開発につながっています。

クロスチェーンプロトコル

クロスチェーンブリッジであるConfluxのShuttleFlowにより、相互運用性が実現します。これにより、イーサリアムBNB Smart Chainなどのネットワーク間で資産とデータを送信できます。

こうした相互運用性により、ConfluxベースのdAppのユースケースの可能性が拡大し、ブロックチェーンエコシステム全体におけるConfluxのユーティリティ向上につながります。ShuttleFlowでは、これらのクロスチェーン取引を円滑化するために、別のトークンであるFC(Function Coin)を採用しています。

トークノミクス

CFXは、Confluxネットワークのネイティブトークンです。同エコシステムの中心となるCFXは、ガバナンストークンでもあります。

CFXのユーティリティ

  • ネットワークガバナンス:CFXの保有者は、Confluxネットワークのガバナンスに参加できます。同トークンの保有者は提案に対する投票を通して、プラットフォームの将来的な方向性に影響を与えることができます。

  • ステーキングとセキュリティ:ユーザーはCFXのステーキングにより、ネットワークのセキュリティ保護にも参加できます。ステーキング参加者はCFXをロックしてトランザクションの検証を後押しし、この見返りとしてCFXによる報酬を獲得できます。

  • 手数料:Confluxネットワーク上で発生するトランザクション手数料は、CFXで支払われます。

  • エコシステムへの参加:CFXを使用して、dAppとのやり取り、プレミアム機能へのアクセスが実現し、Confluxネットワーク全体の活動に参加できます。

CFXの当初の割り当て先

ジェネシスブロックから生成された50億トークンのCFXは当初、以下の5種類のカテゴリーに対して割り当てられました。

カテゴリー

パーセンテージ

プライベートエクイティ投資家

最大12%

財団

4% + 未売却

ジェネシスチーム

36%

コミュニティ資金

8%

エコシステム資金

40%

財団保有分のうちの未売却分は、前回のラウンドでの割り当て(プライベートエクイティ投資家向け)において売れ残った分を指します。

トークン発行

トークンは、以下の2種類のメカニズムに基づき発行されます。

  • プルーフ・オブ・ワーク(PoW)マイニングマイナーは、マイニングに成功したブロックごとに新規で生成されたCFXトークンを受け取ります。報酬額は、1ブロックあたり約1 CFXです。これは、DAO(分散型自律組織)の投票に応じて変動します。

  • プルーフ・オブ・ステーク(PoS)による報酬:CFXをステーキングしたユーザーは、この見返りとしてCFXで報酬を受け取ることができます。この報酬額も、DAOにより調整されます。

トークンのバーン

他の数多くのネットワークと同様、Confluxでも健全なトークンの供給とインフレ制御のため、トークンバーンメカニズムを採用しています。

  • 資金提供によるバーン:ユーザーが同ネットワーク上のストレージに資金提供した場合、保有中のCFXがバーンされます。

  • トランザクション手数料のバーン:徴収済みのトランザクション手数料の一部もバーンされます。

DAOガバナンス

Conflux DAO(分散型自律組織)は、主要なネットワークパラメーターの調整において大切な役割を担っています。以下にいくつか例を挙げます。

パラメーター

説明

プルーフ・オブ・ワーク(PoW)のブロック報酬

マイナーに付与される1ブロックあたりのCFX数。

ステーキング報酬の利率

ステーキング報酬の計算に用いられる利率。

ストレージに対する資金提供のバーン率

ストレージへの資金提供に要するコストのうち、バーンされる割合。

トランザクション手数料のバーン率

バーンされるトランザクション手数料の割合。

Confluxエコシステム

Confluxはイーサリアムとの完全な互換性を持つ一方で、Fluent Wallet、ConfluxHub、Swappiなどチェーン上で独自のネイティブdAppを数多く展開しています。

Fluent Wallet

Confluxネットワーク専用に構築されたWeb3ウォレット。ユーザーは同ウォレットを使用し、資産の管理とdAppとのやりできます。

ConfluxのFluent Wallet

ConfluxHub

ConfluxHubは、多彩なDeFiサービスを提供するプラットフォームです。提供するサービスは、トークンのローンチ・管理からエアドロップやクロスチェーンブリッジングまで、多岐にわたります。

ConfluxHub

Swappi

Conflux eSpace上で運営中の分散型取引所(DEX)であるSwappiでは、トークンのスワップ、ステーキングの機会、さまざまな収益メカニズムへの参加をはじめとするサービスがユーザーに提供されます。

ConfluxのSwappi

まとめ

ブロックチェーン技術の普及が拡大する中、Confluxではスケーラビリティに関する未解決課題の解決を目指しています。

そのツリーグラフ構造、ハイブリッド型コンセンサス、GHASTアルゴリズムの併用により、トランザクションの並列処理と効率的な検証が実現します。また、同ブロックチェーンの要となるCFXにより、ガバナンス、ステーキング、トランザクション手数料、エコシステムへの参加が推進されます。

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